トラウマと自己肯定感を高めるアファメーション
私たちは日々の生活の中で、さまざまな経験を重ねていきます。
その中には嬉しい思い出や成功体験もあれば、逆に傷つくような出来事や, 心に残る痛み(トラウマ)もあります。
特にトラウマはその後の人間関係や自信に大きな影響を及ぼすことがあります。
しかし、その存在が私たち自身の価値や自己肯定感を低下させる理由にはならないのです。
ここでは、「トラウマ」と向き合いながら、それを乗り越えるための手段として「アファメーション」を利用する方法について学んでいきましょう。
トラウマとは何か?
まず、トラウマという言葉の意味から整理しておきましょう。
トラウマとは、ある出来事によって引き起こされた心理的な負担や苦痛を指します。
このような出来事は、事故や災害、大切な人との別れ、暴力など多岐にわたります。
これらの体験は、意識的な記憶だけでなく、無意識の領域にも深く刻まれてしまうことがあります。
*日本精神神経学会によると、約7〜8%の人が生涯のどこかでPTSD(外的要因により心的外傷後ストレス障害)を経験するとされています*。
これは決して少数派ではありませんよね。
そして、このトラウマはしばしば自己肯定感を低下させ、自分自身を有能だと思えなくなる原因となったりします。
自己肯定感とは、自分自身に対する評価や感情を表します。
「私は価値がある」「私は愛されるべき存在だ」という感覚が確立されている場合、私たちは他者との関係でも自然と自信を持って接することができるようになります。
しかし一度トラウマによってこの感覚が損なわれると、様々な場面でネガティブな反応や不安を抱えてしまうものです。
このような状態から脱却するために必要なのが、アファメーションです。
アファメーションとは、自分自身にポジティブな言葉を繰り返すことで内面的な成長を促進するテクニックです。
アファメーションの重要性
アファメーションは単なる「呪文」ではありません。
また、ただ声に出して読むだけでは効果を発揮しません。
実際には、自分に対して優しく、誠実に語りかけることが肝心です。
例えば、「私は価値のある人間です」「過去の出来事が私を定義するわけではない」といった具体的な言葉を選び、それを繰り返すことで、脳内回路を変化させ、ポジティブなアイデンティティを再構築する助けになるのです。
近年の研究結果でも、アファメーションがストレスレベルの軽減や自己効力感の向上に寄与することが示唆されています。
特に若年層においては、学校や家庭環境から来るトラウマの克服策として注目されています。
具体的なアファメーションの例
それでは具体的に、どのようなアファメーションがトラウマを癒し、自己肯定感を高める助けになるのでしょうか。
以下に紹介するフレーズを見てみましょう。
- 私は 私自身を大切にしています
自己ケアを促し、自分を尊重する姿勢を強化します。 - 私の過去は私を作ったが、今の私を規定するものではない
過去の出来事に縛られることなく、新たな可能性に目を向けられることを促します。 - 失敗は学びであり、次へのステップである
挑戦を恐れず、自身の成長を促すための考え方です。 - 私は他者から愛される存在である
人間関係において安心感を育むための言葉です。 - 私は十分に頑張っている
自らの努力を認め、現在の自分に満足感を得られるようサポートします。
これらの文を毎朝鏡の前で朗読したり、ノートに書き込んだりすることで、自分の意識が徐々に変わっていくことを実感できるでしょう。
伝統的な文化や宗教でも同様の「祈り」や「詩」は古くからその役割を果たしていました。
コンテンポラリーな心理療法でもこの考えは受け継がれていると言えます。
行動につなげる工夫
アファメーションを騙らえたら、次はそれをどう実生活に結びつけるかが重要です。
トラウマに苦しむ瞬間、ほんのわずかな時間しか取れないかもしれませんが、小さな行動を取ることで‘‘次’’へ進むことができます。
たとえば、ポジティブなアファメーションを使ってリラックスした後、散歩に出たり、お気に入りの本を開いたりすることで、生活習慣を改善するきっかけになります。
あなたが好きな趣味を新しく始めることも良いでしょう。
そうすることで、アファメーションが根づきやすく、強固なものになっていきます。
現実を直視し、少しずつでも対応策を講じることで、未来が少し明るく感じられるようになるでしょう。
まとめ
トラウマやその影響で悩む方にとって、アファメーションは心を軽くする素晴らしいツールです。
もちろん、ひと安心を求めるだけでは治療には至りませんが、少しずつ思考パターンを転換していくための第一歩にはなります。
自分を責めることなく、時には小さな成功を喜ぶことも忘れずに。
ぜひ、一緒にこの旅を続けましょう。